──「I want to」以外の思考 ──
「I want to」だけでは生きていない
以前の記事では、
「I want to(私はどうしたいか)」
を軸にすると、
人生は少し軽くなるかもしれない、
というお話をしました。
ただ、現実はそれほど単純ではありません。
私たちは毎日、
「したい」だけで生きているわけではないからです。
気づかないうちに、
別の考え方にも大きく影響されています。
そして、その考え方が、
苦しさの原因になっていることがあります。
「やりたくない」という思考
まず一つ目は、
I don’t want to
(やりたくない)
です。
これはとても自然な感情です。
嫌なことを避けたい。
苦しいことから離れたい。
そう思うのは当たり前です。
ただ、この考え方には特徴があります。
それは、
「避けること」が目的になりやすい
ということです。
たしかに、
避けられたときは安心します。
ほっとします。
でも、
「嬉しい」
「満たされた」
という感覚とは、少し違います。
なぜなら、そこには
「本当は何がしたいのか」
が含まれていないからです。
「やってほしい」という思考
二つ目は、
I want you(him/her/them) to
(こうしてほしい)
です。
これは決して悪いことではありません。
理解してほしい。
優しくしてほしい。
助けてほしい。
人なら誰でも持つ自然な願いです。
ただし、ここには大きな特徴があります。
それは、
結果を自分でコントロールできない
ということです。
相手には相手の意思があります。
だから、
叶うこともあれば、
叶わないこともある。
期待が大きくなるほど、
思い通りにならなかったときの苦しさも
大きくなります。
さらに、この状態が強くなると、
- やってもらえないと満たされない
- 相手を思い通りに動かしたくなる
という方向に傾いてしまうこともあります。
これは、
「依存」や「コントロール」
につながりやすい状態です。
「こうあるべきだ」という思考
三つ目は、
must / should
です。
〜するべきだ。
〜しなければならない。
学校でも仕事でも、
私たちは長い間、
この考え方に触れてきました。
もちろん、
必要な場面もあります。
社会のルールもありますし、
責任もあります。
ただ、この考え方を中心に生きていると、
いつの間にか
「正しいかどうか」
ばかりを気にするようになります。
すると、
「自分がどうしたいか」
が見えにくくなっていきます。
そこには「正しさ」はあっても、
「納得」や「楽しさ」が
置き去りになってしまうことがあるのです。
共通していること
ここまでの三つを並べてみましょう。
- I don’t want to
- I want you(him/her/them) to
- must / should
それぞれ違うように見えます。
でも、共通点があります。
それは、
自分の外側に重心がある
ということです。
嫌なもの。
相手の行動。
社会の正しさ。
どれも大切な要素です。
ただ、そこばかりを見ていると、
「自分はどうしたいのか」
が後回しになってしまうのです。
なぜ苦しくなるのか
この状態が続くと、
- やりたいことが分からない
- 人に振り回される
- 正しさに縛られる
そんなことが起こります。
すると、
頑張っているのに満たされない。
ちゃんとやっているのに苦しい。
そんな感覚につながっていきます。
「安心」と「幸せ」は少し違う
ここで、ひとつ大切なことがあります。
それは、
安心と幸せは、同じではない
ということです。
嫌なことを避けられた。
安心した。
相手が思い通りに動いてくれた。
安心した。
ルール通りにできた。
安心した。
どれも大切です。
でも、
安心できたことと、
満たされることは、
必ずしも同じではありません。
「安心」は、
苦痛が減った状態。
「幸せ」は、
“自分が望むもの”に触れたときに
感じやすいものです。
だからこそ、
安心だけを追い続けると、
「苦しくはないけど、満たされない」
という状態になることがあります。
戻る場所を持っておく
だからといって、
- I don’t want to
- I want you(him/her/them) to
- must / should
を捨てる必要はありません。
どれも人にとって自然な考え方です。
問題になるのは、
そればかりになってしまうことです。
そんなときは一度だけ、
「私はどうしたいんだろう?」
と問い直してみてください。
答えがすぐに出なくても構いません。
問いを戻すこと自体に意味があります。
それは、誰かの期待や、
正しさのためではなく、
「自分の人生」を
自分に返していく作業だからです。
おわりに
私たちは、
人の目を気にしたり、
正しさを求めたり、
期待したりしながら生きています。
それは悪いことではありません。
ただ、その中で苦しくなったときは、
一度だけ立ち止まってみてください。
そして、
「私はどうしたいんだろう?」
と、自分に聞いてみてください。
その問いは、
誰かの人生ではなく、
自分の人生に戻るための入り口になります。
ここに灯した言葉を読んで、
もう少し火にあたっていこうと思われたら、
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