── 人生の「クリア」は、ゲームほど派手じゃない ──
はじめに
「大変だったけれど、なんとか乗り越えた」
「自分なりに、よく頑張ったと思う」
そんなふうに思える出来事があったのに、
なぜか、あまり達成感がない。
「もっと嬉しくてもいいはずなのに」
「こんなに頑張ったのに、どうして満足できないんだろう」
そんなふうに感じることがあります。
でも、これは決して珍しいことではありません。
もしかするとそこには、
「問題をクリアしたら、きっと大きな達成感が得られるはず」
という、ちょっとした思い込みが関係しているのかもしれません。
ゲームなら、「クリア」はわかりやすい
たとえば、ゲームを想像してみてください。
大きなボスキャラと戦って、
最後に強力な攻撃を決める。
すると──
ドーン!
大きな爆発が起きて、
ファンファーレが鳴る。
「MISSION COMPLETE!」
得点や経験値が入り、
キャラクターのレベルが上がる。
そして、新しいステージが始まる。
ゲームでは、
「ここまでが一つの課題だった」
「今、課題をクリアした」
ということが、とても分かりやすく作られています。
だからこそ、
「やった! クリアした!」
という達成感も感じやすいのです。
でも、現実の「問題」はボスキャラではない
ところが、人生の問題は、
ゲームのボスキャラのように
はっきりした形をしているとは限りません。
「この問題を倒せば終了!」
という境目そのものが、
存在しないこともあります。
たとえば仕事で大変な時期があったとしても、
「今日で完全に解決しました!」
とファンファーレが鳴るわけではありません。
問題に向き合っているうちに、
少しずつ自分のやり方が変わっていく。
少しずつ、できることが増えていく。
そして、いつの間にか、
以前ほどその問題に悩まされなくなっている。
そんなふうに、
「いつの間にかクリアしていた」
ということが、現実ではとても多いのです。
場合によっては、
そもそも「ラスボス」すらいません。
強い雑魚キャラが次々と現れるように、
一つの問題が落ち着いたと思ったら、
また別の問題が現れる。
でも、その間に、
あなた自身も少しずつ変わっています。
気がつけば、
以前とは違う場所に立っている。
人生の「クリア」は、
案外そんなものなのかもしれません。
「クリアしたのに嬉しくない」のではなく、クリアの瞬間がない
ここが、今回いちばん伝えたいところです。
何かを乗り越えたのに、
あまり達成感を感じられなかったとしても、
「自分は何も成し遂げていない」
とは限りません。
むしろ、
現実の問題は、ゲームのように「クリアした瞬間」が分かりにくい
のです。
問題と向き合っている最中に、
あなた自身が少しずつ変わっている。
考え方が変わっている。
できることが増えている。
以前なら苦しかったことが、
少し平気になっている。
そして気がついたときには、
以前とは全く別のステージにいる。
それもまた、
現実における「成長」の一つなのかもしれません。
「もっと達成感があるはず」という期待
もちろん、
頑張ったことに対して達成感を得たいと思うのは自然なことです。
ただ、
「これだけ頑張ったのだから、
きっと大きな達成感があるはず」
という期待が大きくなりすぎると、
実際に感じた満足感との間に
差が生まれることがあります。
以前の記事でもお話ししたように、
期待が大きくなるほど、
人はがっかりしやすくなります。
あなたの努力が足りなかったからではなく、
「クリアしたら、きっと何か特別なことが起こる」
と思っていたのに、
現実には何も起こらなかった ──
ただ、それだけなのかもしれないのです。
それでも、あなたはちゃんと前に進んでいる
問題を一つ乗り越えると、
そこから何かを得ることがあります。
知識かもしれません。
経験かもしれません。
考え方かもしれません。
以前より少し強くなった自分かもしれません。
あるいは、
「自分ならなんとかできる」
という感覚かもしれません。
そうしたものは、
ファンファーレのように
目立つ形で現れるとは限りません。
だからこそ、
自分でも気づかないことがあります。
でも、
達成感がないことと、成長していないことは別の話です。
あなたが気づかないうちに、
ちゃんと何かを手に入れていることは、
たくさんあります。
「クリアしたら喜ばなきゃ」を手放してみる
だから、何かを乗り越えたときに、
「もっと喜ばなきゃ」
「もっと達成感を感じなきゃ」
と、自分に求めなくても大丈夫です。
「思ったより、普通だな」
くらいでもいい。
「まあ、終わったな」
くらいでもいい。
そして、そのまま次へ進んでもいいのです。
「クリアしたなら、もっと嬉しいはず」
という期待を少し小さくして、
ただ目の前のことに集中する。
すると、達成感を探し回るよりも、
ずっと遠くまで進めることがあります。
おわりに
人生には、
派手なファンファーレが鳴らない「クリア」が、
たくさんあります。
気づかないうちに、
できることが増えている。
以前ほど苦しくなくなっている。
少しだけ違う考え方ができるようになっている。
そんな変化も、
あなたが進んできた証です。
だからもし今、
「頑張ったのに、あまり達成感がない」
と感じているのなら、
それは、
あなたが何も成し遂げていない証拠ではありません。
もしかするとあなたは、
もう次のステージに
立っているのかもしれないんです。
ここに灯した言葉を読んで、
もう少し火にあたっていこうと思われたら、
こちらへ…
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