── 算数思考と読解思考 ──
はじめに
答えが出なくて、先に進めない。
そんな風に感じて、
考えが止まってしまうことはないでしょうか。
実は、こうして物事に行き詰まりやすい思考があります。
ここでは仮に、それを「算数思考」と呼びます。
算数の問題のように、
一つの問いに正しい答えが出なければ、先に進めない。
そんな考え方です。
丁寧で誠実な姿勢ではありますが、
現実の問題では、この思考が自分を止めてしまうことがあります。
算数思考
答えが出るまで先に進まない思考。
算数では、途中式が正しく、
それぞれに答えが出なければ、
最後の答えは出せません。
だから、
・この式は合っているのか
・この考え方は正しいのか
・ここを解決してから次へ
と、一つずつ確定させながら進みます。
これは算数では、とても合理的なやり方です。
でも、同じやり方を人生の問題や学びのすべてに
当てはめてしまうと、思考は止まりやすくなります。
なぜなら現実には、
・正解が一つとは限らない
・答えがすぐには出ない
・そもそも答えが存在しない
という問題が多いからです。
つまり、算数のルールで現実を解こうとすると、
行き詰まりやすいのです。
置いたまま進む
現実の問題で言えば、
解けないものは、一度脇に置いてもいい。
答えが出ないままでも、
次の段階に進んでみる。
進んだあとで振り返ると、
「あの問題はこういう意味だったのか」と
見えてくることもあります。
あるいは、
そこは実はそれほど重要ではなかったと
分かることもあります。
「答えが出ないまま進むのは、なんだか間違っている気がする」
これは、まじめで誠実な人ほど陥りやすい考え方でもあります。
でも人は、全体が見えて初めて
部分の意味を理解できることも多いのです。
読解思考
分からないままでも、進みながら理解する思考。
このような考え方を、ここでは仮に「読解思考」と呼びます。
英語の長文読解を思い出してみてください。
長文を読むとき、
すべての単語の意味が分からなければ
読み進められない人がいます。
でもそれでは、なかなか先に進めません。
長文読解ではむしろ、
- 分からない単語があっても読み進める
- 全体として何の話かをつかむ
という読み方のほうが有効なことが多いのです。
そして全体像が見えてくると、
- 文脈から単語の意味が推測できる
- その単語が重要ではないと分かる
こともあります。
つまり、現実の問題も読解のように進めることで、
「あとから見えてくる」こともあるのです。
まとめ
算数思考は、
正確さを大切にする良い考え方です。
でもそれだけに頼ると、
思考は止まりやすくなります。
現実の問題では、
すべてを解いてから進む必要はありません。
分からないところを一度脇に置いたまま、
先に進んでみる ──
そうすることで、
あとから見える答えもあります。
もし今、「うまく進めない」と感じていることがあるなら、
一度こう考えてみてください。
「この問題、いったん置いたまま進めないかな?」
算数思考と読解思考。
すべてを解いてから進むのか。
それとも、
分からないところを一度「置いたまま」進むのか。
どちらが正しい、というわけではありません。
状況によって、使い分ける思考です。
思考の進め方を少し変えるだけで
見える景色が変わることもあります。
今のあなたは、どちらの思考に近いですか?
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