自己肯定感より先に必要なこと

── 「否定的受容」という力 ──

はじめに

「自分を肯定してあげましょう」
「もっと自分を好きになりましょう」

そんな言葉に触れて、
かえって苦しくなったことはないでしょうか。

頭では分かっている。
でも、どうしても受け入れられない。

そんな自分を見て、さらに自分を責めてしまう。

もしそう感じているなら、
それはあなたが間違っているわけではありません。

順番が違っているだけです。


肯定できないのは、自然なこと

まずはっきりさせておきます。

嫌いなものを、好きになる必要はありません。

ダメだと思っている部分を、
無理に「いいところ」と思い込む必要もありません。

むしろ、そこには強い否定の感情があるのが普通です。

だからこそ、
いきなり自己肯定をしようとすると、
どこかで無理が生まれます。


「否定的受容」という考え方

ここで必要になるのが、

「否定的受容」という考え方です。

これは、ネガティブなものをポジティブに変えることではありません。

ネガティブなものを、
ネガティブなまま、とりあえず置いておく
ことです。

評価せず、結論を出さず、
「そう感じている」という事実だけを、そのままにしておく。

それだけです。


なぜこれが必要なのか

自己肯定がうまくいかない理由のひとつは、

「否定が強すぎる」ことです。

  • こんな自分はダメだ
  • こんなことを考える自分はおかしい
  • こんな感情を持つべきじゃない

こうした否定がある状態で、
「自分を認めよう」としても、
内側でぶつかってしまいます。

だからまず必要なのは、

否定をやめることではなく、
否定し続ける流れを一度止めることです。


Doneとの関係

この考え方は、
「Done」とも深く関係しています。

Doneでは、
「やってきたこと」「経験したこと」を、
確認します。

それによって、
自分の現在地を、事実として把握する。

ここで問題になるのが、
その事実を見たときにネガティブな評価や感情が
生まれてしまう場合があることです。

  • こんな程度しかやっていない
  • 全然足りていない
  • 自分はダメだ

こうした評価や感情が出てくることは、
まったく不思議ではありません。

そのときに必要なのが、否定的受容です。

ネガティブな評価や感情を消そうとするのではなく、
「そう感じている」と、そのまま置いておく。

これができると、

👉 事実(Done)
👉 感情(否定的な反応)

この両方を、無理なく扱えるようになります。


観察を歪めないために

もうひとつ、大事なポイントがあります。

否定的受容ができていないと、
そもそも「見ようとする範囲」が歪んでしまう場合がある
ということです。

人は強い否定感情があると、

  • 見たくないものを避ける
  • 都合の悪い部分を無視する
  • 逆に悪い部分だけを強調する

といった形で、
観察そのものを歪めてしまいます。

これは、正確に自分を知ることを難しくします。

だからこそ、
Doneの前の段階としても、
否定的受容は重要になります。


「できるようになる」必要はない

ここでひとつ安心してほしいことがあります。

否定的受容は、
完璧にできる必要はありません。

  • 少し置けた
  • 一瞬だけ距離が取れた

それだけで、十分です。

むしろ、

うまくできないことも含めて、
「それもある」と置いておくことが、
この力そのものです。


最後に

自己肯定感は、
無理に作るものではありません。

自分の現実を、過不足なく知り、
その中で自然に育っていくものです。

そのために必要なのが、

  • 事実を見ること(Done)
  • ネガティブな評価や感情を置いておくこと(否定的受容)

この2つです。

もしも今、自分を認められなくて苦しいなら、
無理に肯定しなくて大丈夫です。

まずはひとつ、
「これは嫌だな」と感じているものを、
そのまま置いてみてください。

それだけで、
少しだけ流れが変わり始めます。



ここに灯した言葉を読んで、
もう少し火にあたっていこうと思われたら、
こちらへ…

▶︎ 灯のそばで、ひと休みする

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