よくある質問(ポイント制Q&A)

ポイント制を紹介すると、実際の運用についてたくさん質問をいただきます。
ここでは、特に多いものをまとめました。


Q. ゲームをやめられません。ポイント制でできることはありますか?

ルールの適用

まず大切なのは、ゲーム時間のルールを明確に決めることです。

  • あらかじめ終了時間を設定する
  • 「時間通りにやめられた」をポイント対象の行動に入れる
  • 「ゲーム時間30分延長」に必要なポイントも決めておく
    (目安は、一日の最大ポイントよりちょっと少ないくらい)

終了時間が近づいたら、
10分前・5分前・1分前と段階的にアナウンスします。
その際、

  • 時間になったら強制終了すること
    (コンセントを抜く/本体の電源を切る など)

も、必ず一緒に伝えます。

本人がポイントを使って延長を申し出た場合は、原則承諾します。
時間が来たら、

「はーい、時間でーす」

くらいの軽さで、しかし淡々と終了します。

ポイントのやりとり

もし、強制終了の前に自分からゲームを終えられたら、
その行動に対してポイントを付与します。

つまり子どもにとっては、
「ゲームをやめることによって、次回以降ゲームを出来る時間を延ばせる」
ためのポイントを獲得できる構造です。

怒ったり、拗ねたりしても、
その場で理解や納得を求める必要はありません。

「だって、何回もアナウンスしたもんね」

くらいの温度感で十分です。
また、ポイント制に抵抗していたお子さんの場合、

「ポイントで延長すればよかったんだよ」

という選択肢としての提案が効く場合もあります。


Q. 獲得したポイントを、全部ゲーム時間に使ってしまいます

それは、本人が自分の努力で稼いだ通貨の使い道です。
助言はしても構いませんが、無理に矯正する必要はありません。

ただし、

  • 新しいゲームが欲しい
  • ゲーム内課金をしたい

といった要望が出たときに、

「◯◯ポイントあればできるけど、今何ポイントだっけ?」

質問することで、
本人が自分で考えるきっかけになります。

また、ゲーム時間に使いがちなお子さんには、

  • 「2時間分のポイントで、3時間フリーゲーム」

といった少しお得なプランを提示するのも一つの方法です。
大好きなゲームの時間を使って、
「小さな我慢」と「少し先を見る力」を育てることができます。


Q. 兄弟で、下の子ばかりポイントを稼いでしまい、上の子が拗ねます

年齢差がある場合、
行動リストの数や内容に差をつけるのは有効な方法です。

  • 上の子の方が、ポイントになる行動が多いようにする
  • 1日で稼げる最大ポイントを多めに設定する

こうすることで、上の子に有利な設計になります。

これは「不公平」ではありません。
年齢によってできることが違う、という現実的な調整です。

小学生と幼稚園生の生活が違うのと、同じ考え方です。


Q. 「欲しいものが何もない」と言われました

報酬が物品だけではないことを説明しても、
「何もない」と言う場合、
本人の中の Want(欲しい気持ち)が隠れている ことがあります。

その場合は、無理に決めさせず、

  • 「普段の生活で貯まるポイント」だけを記録していく

ところから始めてみてください。
貯まっていく数字を見るうちに、
自然と「これに使いたい」が出てくることも多いです。


Q. うまくいかないと癇癪を起こし、表を破ってしまいます

その場合は、何度でもやり直せばいいだけです。

そのため、スマホやパソコンでデータを管理しておくことは重要です。
また、

  • ホワイトボードと、算数のおはじき磁石等を使う

など、破れない方法に変えるのも一つの手です。
ただし、

  • 癇癪を起こして物を壊す

という行動は、
ペナルティポイント(PP)の対象になることも多いです。

その際、感情が高ぶっている最中に
叱ったり説明したりする必要はありません。
落ち着いたあとで、
「怒ったこと」ではなく「壊したという事実」にだけ触れ、
「PPを付けておくね。これで〇ポイントになったよ。
あと一つで、△△(あらかじめ決めておいた罰則)になるよ」
など、事実だけを淡々と共有します。

粛々とペナルティポイントを加算することも、立派な指導なのです。


Q. ひたすら簡単なドリルだけやろうとします

ドリルをやるページ数と、稼げるポイントに上限を設けます。
基本は

  • ドリル(算数+漢字)各1ページ:1ポイント
  • ノートがきれいに書けた:算数、漢字で各1ポイント
  • つまり合計3ポイント

がドリルで稼げる1セットになります。
リストの行動数などにもよりますが、

  • 進めてよいページ数は3ページ分まで
  • 稼げるポイントは5ポイントまで

程度が扱いやすいように思います。
最大値を6ポイントにしないことで、

「2ページ分やって、ノートがひとつ汚なかった」
としても最大ポイントを取れる

という余白が生まれます。

あるいは、ノートに自信がある子なら
「1ポイント犠牲にしてもドリル2ページでいくか、
もったいないから他の行動で稼ぐか」
など自分で戦略を立てられます。

Q. ポイントの代わりにお金でいいのでは?

やめておくことを、強くお勧めします。

お金は「明確に価値が決まっている」ため、
完全な短期報酬となってしまいます。

「これやっても〇円かぁ」

というような比較が起こりやすく、
さらに短期報酬特有の「慣れ」もあります。

たまに「ウチでは、お金でやったことによってお金を稼ぐことの大変さを認識し、計画的に使うことが出来るようになった」などの”美談”を聞くことがありますが、
ほとんどが「その前に、すでに長期報酬を目指して努力することが身についていたお子さん」の事例と考えて間違いありません。

そのような基本が身につく前にお金でポイント制の代わりをしようとすると、
例外的にハマるお子さんを除いて、余計な苦労を負う結果になってしまう可能性があります。

Q. 学校での生活については?

学校での運用や連携については、
別の記事で詳しく解説します。


まとめ

ポイント制は、
正解を与える方法ではありません。

子どもに、
「選ぶこと」と「結果」を渡し、

大人には、
感情ではなく構造で関われる立ち位置を残します。

うまくいく日も、
うまくいかない日も、
それごと引き受けながら続けていく道具です。

家庭ごとに形は違っていい。
完璧でなくていい。

それでも、
叱り続ける毎日から一歩離れるための
現実的な足場には、きっとなります。


👉 実際にポイント制を試してみたご家庭のお話



ここに灯した言葉を読んで、
もう少し火にあたっていこうと思われたら、
こちらへ…

▶︎灯のそばで、ひと休みする

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