この記事では、
前回紹介したポイント制を「実際にどう運用するか」を、
できるだけ具体的にまとめました。
理屈よりも、「今日からどうするか」の話です。
なお、具体的な行動リストや実際の事例などは、さらに別記事で紹介します。
全体像:ポイント制の基本構造
ポイント制は、子どもの行動を成果ではなく努力で評価し、
日々の積み重ねを「通貨」として見える形にする仕組みです。
- 良い行動 → ポイントを獲得
- ポイント → 子どもが望むものと交換
この循環が回り続けることで、
「続けること」そのものが力になります。
実際の手順
準備するもの(アナログがおすすめ)
まずは、目に見える管理が重要です。
- 100円ショップの方眼紙
- 事務用の丸シール
- もしくはカレンダー
これらを使って、ポイントの増加が一目でわかる形にし、
家の中の見える場所に貼っておくのがおすすめです。
子どもに、「あ、そうだ」と気づかせる機会が増えます。
※同時に、大人側はスマホやPCで正確なポイント数を必ず記録してください。
(貼り間違い・数え間違いや、破損時の対策です)
ポイントを与える「行動」を決める
次に、大人側で
「これはやってほしい」「習慣づけたい」と思う行動をリストアップします。
大事な注意点
- 成果は含めない
- 例:×「テストで80点以上」
- 具体的な努力・行動のみを評価
- 例:○「朝⚪︎時までに起きる」「宿題を1ページやる」
ポイント制は、
努力評価であって、成果評価ではありません。
成果を評価してしまうと、
「頑張ったのに結果が出なかった=無駄だった」
という認識を生みやすく、これが一番危険です。
ポイント数の設計ルール
基本原則
- 原則、すべての行動は1ポイント
- 1日の最大獲得ポイントは
- 10〜20ポイント以下(慣れないうちは15以下がおすすめ)
ポイントに差をつけすぎると、
「得な行動だけやる」状態になりやすいため、
まずはシンプルさを優先します。
ただし、大人が「どうしてもこれだけは」と思うものは2ポイントにする、程度の調整は大丈夫です。
ポイントは「通貨」として扱う
毎日加算されたポイントは、
子どもにとって自由に使える通貨になります。
- 途中で使ってもいい
- 目標を変えてもいい
「○○を目標に貯めていたけど、△△に使う」
という選択も、原則として修正しません。
後悔しないかどうかを確認する程度に留め、
選択の責任を子どもに委ねます。
子どもが自分で納得してポイントを使用する時、
大人は「喜んで望むものを与える」姿勢を崩さないのがコツです。
「通貨を支払って品物を買う」のと同じですからね。
ここが「ご褒美制」との、一番の違いです。
「欲しいもの」の決め方とポイント設定
子どもが欲しいものをリクエストしたら、
大人は次の問いでポイント数を決めます。
「1日の最大ポイントを獲得できる生活を、
何日続けてくれたら渡してもいいか?」
重要な考え方
- 実際の価格と、ポイント数は比例しなくていい
- 家庭の信条・事情を反映してOK
欲しいものは、
- 物品
- 一緒に遊ぶ時間
- ゲーム時間の延長
など、本当に何でも構いません。
日常的によく出る希望は、
あらかじめ「価格表」を作っておくのもおすすめです。
例えば、「ゲーム時間30分の延長」なら
・1日の最大ポイント数より数ポイント少ないくらい
が使いやすいと思います。
非現実・高すぎる願いへの対応
完全に非現実的な願い
例:「空を飛べるマントが欲しい」
- 「売ってるお店がわからないから、見つけたら教えて」
- 見つかった時点でポイントを決める
→ 行動の選択と責任を子どもに渡します。
家庭の事情で与えられないもの
- 到底貯められないポイント数を設定
- 別の目標にするかどうかを、子ども自身に選ばせる
無理に否定せず、
現実調整を自分で行う体験につなげます。
ただ、もし
「他のご家庭では普通に与えてるけど、ウチはイヤなんだ」
というポリシーだけの問題であるなら、
「1日の最大ポイントを獲得できる生活を、
何日続けてくれたら”自分のポリシーを曲げて”渡してもいいか?」
を本気で考え、それをはっきりと
「他のお家では持っている子も多いだろうけど、私は持たせたくない。
それでも、あなたが本気でこれだけのポイントを貯めたら、私は私の
考えを曲げてでも、あなたにそれを持たせてあげる」
などと説明した上で、ポイント数を提示するという選択肢もあります。
(もちろん、すべてをこの方式で決める必要はありません)
ゲーム時間など「制限」の扱い
- 1日の上限は明確に決める
- 最初は強い反発が出やすい
その代わり、
「ポイントで延長できる」ことを強調し、
大人側がルールを厳密に守ります。
この一貫性が、ポイント制の信用を作ります。
ポイント制を拒否されたとき
面倒くささや制限への反発から、
ポイント制そのものを拒否されることもあります。
その場合でも、
- 毎日習慣づけたい行動にポイントが設定されていれば
- ポイントは毎日、確実に貯まっています
大人は淡々と記録を続け、
子どもから何か要求が出たタイミングで、
「それなら○○ポイントで交換できるよ。今なら足りるけど、使う?」
「今△△ポイント貯まってるから、あと○○ポイントで交換できるよ」
など、「ポイントがあれば、要求は叶えられる」ことを伝えます。
それでも乗ってこない時は
「じゃあお誕生日まで待つか、サンタさんにお願いしてみるか、だね」
など「本人が選べる”他力の”選択肢」を明確にして、
「ポイントは”自力で”手にいれることができる手段」
である、ということを示します。
ポイントが本当に使えると実感できた瞬間、
態度が変わることは少なくありません。
大人が諦めない限り、ポイ活は続けられます。
もちろん、何事も理想通りにはいかなくて当然ですし、
完璧を目指す必要もありません。
おわりに
この記事を読んでみて、
「思ったより、ちゃんと設計できるものなんだ」
と感じていただけたら、それで十分です。
ポイント制は、
完璧に運用するための仕組みではありません。
少し雑でも、
途中で調整しても、
大人が諦めなければ、なんとなくでも回り続けます。
まずは、
・見える形で記録する
・行動だけを見る
それだけで大丈夫。
仕組みが動き始めると、
気づかないうちに
「叱らなくて済んだ一日」が増えていきます。
👉 こちらの記事では、実際の運用例や注意点などもご紹介しています。
ここに灯した言葉を読んで、
もう少し火にあたっていこうと思われたら、
こちらへ…

コメント