〜 物語の主人公になる方法 〜
はじめに|なぜ、あの人は努力を続けられるのか
小説や漫画の主人公は、なぜあんなに努力を続けられるのでしょうか。
特別な才能があるから? 意志が強いから?
実は、そうとは限りません。
物語の主人公たちはたいてい、最初はうまくできない。
できないからこそ、試して、失敗して、工夫して、前に進みます。
私たちはそれを見て、こう思います。
「努力する才能がある人なんだ」と。
でも本当に必要なのは、才能ではありません。
「努力する才能」の真実
結論から言うと、努力する才能は存在しません。
あるのはただ、
努力が「苦痛になりにくい脳の状態」か
努力が「苦痛になりやすい脳の状態」か
その違いだけです。
この違いは、性格ではなく脳の機能によって生まれます。
「今のあなたは、苦痛になりやすい状態にいる」というだけで、
役割や人格の問題ではありません。
そして重要なのは――
この機能は、あとから設計し直せるということです。
努力が苦痛になる正体|報酬のすれ違い
私たちの脳は、「快感」よりも
「これから良いことが起きそうだ」という期待に強く反応します。
ところが現代では、
・すぐ
・強く
・無限に
刺激が手に入る環境が整いすぎました。
その結果、
時間をかけて成果が出る行動(勉強・仕事・練習など)は、
脳にとって報酬が弱く見えてしまうのです。
これは怠けでも、根性不足でもありません。
環境と脳の設計が噛み合っていないだけ。
(※ 詳しい仕組みは
「やる気があるのに続かない」解説記事で扱っています)
物語の主人公は、
毎回レベルアップ音が鳴るわけではありません。
何も変わっていないように見える日でも、
経験値は、ちゃんと入っています。
努力がつらく感じるとき、
多くの人はこの「見えない経験値」を
受け取り損ねているだけなのです。
工夫①|ご褒美は「毎回」出さなくていい
努力を続けたいなら、
毎回ほめない(間欠化する)ことが、実は効果的です。
・今日は静かに○をつける
・何日かに一度だけ、言葉でしっかり承認する
・評価のタイミングを少し遅らせる
ご褒美が「出るかどうかわからない」くらいが、
脳は一番、行動そのものに注意を向け続けます。
努力をギャンブル化するためではありません。
努力そのものを見続けるための間欠化です。
「報酬」は言葉だけでなく、好きな飲み物や休憩など
身体感覚のご褒美をあえてランダムに使うのも有効です。
ただ、つらい時には、ほめられるだけほめてあげましょう。
工夫②|結果を言わない。「行動」に名前をつける
脳の再設計をする上で、
最も手軽で強力なのが言葉の置き換えです。
×「うまくできなかった」
×「結局ダメだった」
⭕️「ナイストライだ」
⭕️「修行パートか」
⭕️「今日は粘った」
脳は、自分が口にした言葉を事実として採用します。
結果ではなく、行動に名前をつけると、
「努力=意味があるもの」と学習しやすくなります。
工夫③|主人公には「できない期間」がある
「どうせやっても上手くできない」
そう思って意欲を失っているなら、それは本当にもったいない。
なぜなら、努力する主人公たちは皆、最初はできないからです。
・できないから練習する
・失敗するから工夫が生まれる
・遠回りするから物語になる
いきなり最強になる主人公はいません。
できない期間は、脱落ではなく序盤の章です。
あなたが主人公なら
あなたの人生の主人公は、あなたです。
ならば、「努力する才能」が欲しいと嘆く必要はありません。
才能を探す必要も、意志を鍛える必要もありません。
必要なのは、
・報酬の出し方を少し変えること
・使う言葉を少し変えること
・自分の物語を、途中で投げないこと
少しずつでいい。
ゆっくりでいい。
努力は、才能ではなく設計です。
あなたの物語は、もう始まっています。
おわりに
ここまで読んで、
少し肩の力が抜けた人もいるかもしれません。
それでも、こんな感覚が残っているなら。
「分かった気はする。
でも、進んでいる感じがしない」
それはおかしなことじゃありません。
人は理解しても、すぐには歩けない。
もし今、
立ち止まっているように感じる場所にいるなら。
その場所を、説明ではなく物語としてそっと映したものがあります。
答えではありません。
ただ、今いる地点を静かに照らす灯です。
👉「それでも、動けない」と感じるとき
ここに灯した言葉を読んで、
もう少し火にあたっていこうと思われたら、こちらへ…
▶︎ 灯のそばで、ひと休みする

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