正しい助言が、つらく感じるとき

── 単純だけど、簡単じゃない問題の話 ──

助言が刺さる人ほど、助言に苦しむ

「言われていることは分かる」
「でも、それができない」

そんなふうに感じたことはありませんか。

助言をもらうたびに、
できない自分が責められているように感じてしまう。
あるいは、「分かっているのにできない自分」が、
どんどん嫌いになっていく。

それは、あなたが怠けているからでも、
理解力が足りないからでもありません。

多くの助言は、正しいけれど、簡単ではないのです。

世の中は「単純」だけど「簡単」ではない

人生に訪れる数々の問題に対して、
解決策として示される「正しい助言」の多くは、
とても単純です。

たとえば、

  • 体重を落としたい → 「摂取を減らして、消費を増やせばいいんだよ」
  • 職場がつらい → 「休んだらいいよ」「環境を変えたらいいんだよ」

どれも、間違ってはいません。
筋が通っているし、何より「単純」です。

ただし、それを
「今すぐ」
「完璧に」
実行するのは、ほとんどの場合、無理です。

単純であることと、簡単であることは別物
この違いが見えなくなると、
助言は一気に重たいものになります。

100kgの箱

想像してみてください。

あなたの部屋に、
「100kg」と書かれた巨大な箱が置いてあります。

誰かがこう言います。

「部屋を広くしたいなら、その箱を別の階に運べばいい」

理屈は合っています。
でも、今すぐ箱ごと持ち上げられるでしょうか?

普通は無理に決まっています。
でもそれは、あなたの能力が低いからではありません。
箱の中身が詰まりすぎているからです。

ただ、この箱は、100kgの鉄の塊ではありません。
いろいろな物が入った結果、100kgになっているだけ。

ならば、方法は一つです。

中身を、少しずつ運ぶ。
全部運び終えなくてもいい。
中身が少なくなれば、箱は少しずつ小さく、
部屋は少しずつ広くできます。

これは、リハビリと同じ考え方です。
リハビリでは、壊れた機能を一気に戻そうとせず、
使える分から、少しずつ取り戻していきます。

「今・100%」で考えなくていい

困難な問題や助言に向き合うとき、
私たちは無意識のうちに、こんな前提を置いてしまいます。

  • 今すぐやらなければならない
  • 100%できなければ意味がない
  • できなければ失敗

でも、人生はテストではありません。
合格点も、不合格もありません。

できた分だけ、
それは確実に「前に進んだ分」です。

苦しさは「割引」で考えられる

ここで、ひとつの考え方を紹介します。
それを、ここでは「割引」と呼びます。

たとえば、
心のつらさが100ある状態から、
ほんの少し行動できて、1だけ減ったとします。

テストなら、たったの1点。
ほとんど評価されない数字です。

でも実際には、
毎日の苦しさが100から99に減ったということ。

1%の割引です。

2%なら、少し良いカード。
5%なら、優待レベル。

もし30%減ったらどうでしょう。
毎日、3割引で生きている状態です。

「あなたは、店内全品3割引」

そんな生活が続いたら、
かなり楽になると思いませんか。

少しずつでいい

「一年で、1%か2%しか減らせない」
そう感じることもあるかもしれません。

それでも構いません。

割引は、積み重なります。
今日は0%。
明日も0%。
次の日に1%。

それでも、確実に箱は軽くなっています。

一気に持ち上げなくていい。
途中で止まってもいいんです。

おわりに

助言がつらく感じるとき、
それは、あなたが真剣に生きている証拠です。

箱を一気に運ばなくていいし、
全てを運べなくてもいい。
少しずつ、中身を減らせばいい。

今日のあなたが、
昨日より1%でも軽くなっていたなら、
それは立派な「割引」です。


それでも助言が重い

どうしても助言や正論が重くのしかかるとき、
そもそも「言葉の使い方」で疲れてしまっている場合があります。



ここに灯した言葉を読んで、
もう少し火にあたっていこうと思われたら、
こちらへ…

▶︎ 灯のそばで、ひと休みする

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