── 実際にどう回すのか? ──
前回の記事では、ポイント制の詳細な運用ルールを紹介しました。
ここでは、実際にどんな行動をポイント化するのか、
そして運用上の注意点を具体的にまとめます。
行動リストの考え方
ポイント制では、成果ではなく行動そのもので評価します。
行動は大きく、日常生活系と学習系に分けて考えると整理しやすくなります。
日常生活系の行動例
- 朝7時までに起きる
- 朝ごはんを食べる
- 学校に行く
- 帰宅後、ランドセルを片付け、連絡帳を出して見せる
- 今日の宿題の内容を説明する
- お風呂に入る
学習系の行動例
- 宿題を1科目こなす(量が多い場合はページ数で調整)
- ドリルを1ページ進める
- 絵本や教科書を音読する
- 読んだ内容を要約して説明する
ドリル運用のコツ
- 小学3年生以上の場合は、2年以上下の学年のドリルから始める
- 「簡単にできる」ことで習慣化しやすい
- 抜けている基礎の再確認ができ、結果的に現学年の理解が深まる
- 計算ドリルと漢字ドリルはセットで設定
- それぞれ専用ノートを用意し、
- 日付
- ドリルのページ番号
を必ず書かせる
算数では途中式を書くことも指導します。
そしてドリルを進めたら、全問不正解でもポイントを付与します。
またこれとは別に、
- 必要な記載がある
- 多少乱雑でも、どこに何が書いてあるか分かる
- 文字が「読める程度」ではある
という条件を満たしていれば、
「ノートをきれいに書いたポイント」を与えます。
※算数と漢字は別々に判定
これは成果報酬に見えますが、
「ノートをきちんと書く」こと自体が、
学習効率を底上げする極めて重要な「努力」だからです。
「特別なこと」より「当たり前のこと」を
「当たり前のこと」を、「当たり前にやる」というのは、
実はとても大事な評価ポイントです。
毎日の正しい習慣は、生活の基盤を安定させ、
心身の安定や余裕を生み、結果として
未来の可能性を大きく広げるからです。
でも、毎日毎日
「今日も朝ごはん食べられたね!」
などとほめ続けることも難しい。
ポイントリストに設定してしまえば、
「当たり前のこと」が、ちゃんと本人のポイントを増やし、
本人が意識的に習慣化しやすくなります。
特に年齢が低いお子さんの場合は、
「生活そのものが回ること」を重視し、
日常系の行動やお手伝いなどを多めに設定すると効果的です。
継続のコツ
とにかく諦めない
子どもがポイ活に乗ってくれるとは限りませんし、
乗った後も上手く運用できないことも多いでしょう。
でも、上手にリストを組み立てておけば、
普通に生活するだけで少しずつポイントが貯まっていきます。
こちらの記事の、「ポイント制を拒否されたとき」をぜひご覧ください。
「戦友」になる
ポイントを貯めていく過程は、子どもにとって楽しいばかりではないことも多いでしょう。
でもそんなとき、「一緒に戦っている仲間」が近くにいたら?
子どもの願いを叶えるため、「大人側もそのための予算を組んでおく」など準備しておく必要があるときは、ぜひそれをきちんと伝えて「戦友」になってください。
「今、ポイントどれくらい貯まった?」
がキーワード。
ときどき「目標に対する達成度」を、二人で比べてみてください。
- 子どものほうが上のとき
→「もうそんなに!?ヤバい、もっと急がなきゃ!」など
このとき、子どもは「自分の方が大人より進んでいる」と感じ、自己肯定感が上がります。 - 大人の方が上のとき
→「お、それくらい?じゃあポイントが貯まるころには、こっちの準備は整ってるよ」など
このとき、子どもは「本当に叶えてもらえる」ということを実感し、信頼が生まれます。
つまり、
大人が「どっちが上でも、子どもにとっては支えになる”戦友”」となる
ことで、ポイント制継続のモチベーションになるんです。
「よくない行動」への対応
【ペナルティポイント(PP)】という考え方
ポイント制でやってはいけないことがひとつあります。
それは、貯めたポイントを罰として没収することです。
ポイントは本人の「資産」です。
これを取り上げると、仕組みそのものが壊れます。
ペナルティポイント(PP)の設定方法
- 「やってはいけない行動」を5つ以内でリスト化
- 該当行為があった場合、1PPを付与
- 特に重大なものは「2PP」としてもよい
- PPが一定数に達したら、あらかじめ決めた罰則を適用
※注意点
- 「できなかったこと」にペナルティを与えてはいけません。
PPはあくまで「やらかしてしまったこと」についてのみ、付与します。 - ペナルティポイントは、「後から獲得した」通常ポイントで相殺できる仕組みにします。
やらかしてしまった後、
「自ら努力して稼いだポイントを、自らの意思で犠牲にする」
ことは、反省や誠意を示すということの基礎を、自然に染み込ませます。
(相殺の比率は、各家庭の状況によって調整してみてください)
罰則の例
- ゲーム機・スマホを一定期間使用不可にする
(物理的に取り返せない状態にする) - 部活動や習い事への参加を一時的に制限する
「苦痛を与える」より、
本人の快楽を制限する方向で考えるのがポイントです。
まとめ
ポイント制は、
きれいに運用するためのものではありません。
失敗しても、
感情的になっても、
生活が荒れても、
もう一度戻ってこられるようにするための仕組みです。
だから、
ポイントは没収しない。
感情ではなく、ルールで対応する。
それだけを守れば、
多少ぐちゃっとしても大丈夫です。
子どもを管理するためではなく、
家庭の空気が壊れ切らないために、
この仕組みはあります。
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