実際にあった事例

──「いい話」で終わらせない、ポイント制の輪郭──

はじめに

ここまで概略詳細運用例Q&Aと、
お話を深めてきたポイント制。

実際にそれを導入しようとしたご家庭では、
一体何が起こったのか ──

今回は、特に印象的だった3つのご家庭のお話をさせていただきます。

事例①:1000ポイントと1000ポイント

ゲーム機を欲しがった男の子に、
親御さんは「きっと続かないだろう」と、
半ば軽い気持ちで「1000ポイント」と設定しました。

しかし予想に反してその子は生活習慣が一変し、
学習にも積極的に取り組み、
短期間で本当にポイントを貯め切ってしまいました。

親御さんはもちろん、ゲーム機を買い与えました。

ただし──

最初の約束で「ソフト」を含めていなかったため、
手に入ったのはゲーム機本体のみ。

当然、その子はソフトも希望しました。
設定されたポイントは ──

ソフトの何倍も高価な本体と同じ、1000ポイント。

でも「”貯められる”ということを知っている」男の子は、
価格差に一切こだわらず、
「ドリルを2ページやるから、その分ポイントが欲しい」などと交渉し、
再び自分の力でポイントを貯め、ソフトも手に入れました。


事例②:ひたすら抵抗する男の子

その男の子はとにかくこだわりが強く、
「外から決められた」ポイント制に、
ひたすら抵抗を続けました。

・ポイントを稼ぐための行動はしない。
・ポイント表を貼ると、剥がして破く。
・ゲーム時間の終了なども守らず、
 強制終了されるとひたすら暴れる。
・欲しいものがあると、執拗に要求して
 騒ぎたてる

こんな調子ですから、ポイントはほとんど貯まらず、
一方でペナルティポイントはどんどん貯まる。

そのため罰則を適用すると、「学校に行かない」
という手段に出てしまう有様でした。

一方で、ポイント制を「自分もやりたい」と
申し出たのがその子の弟。

こちらは、順調にポイントを貯めては、
好きなものを買ってもらったり、
ゲームの時間を延ばしてもらったり…

男の子は嫉妬して、弟に粗暴に当たり散らしたり、
ますますポイント制に抵抗を示したりするように
なりました。

遠方に住んでいて受診間隔が長かったこともあり、
なかなか細かい相談や調整が出来ず、
母親もほとんど諦めてしまっていました。

ただ、あるとき改めて確認してみると
「朝ごはんだけは絶対に食べる」
というこだわりがあるにも関わらず、
それをリストに入れていなかったことが判明しました。

また、行動リストの「数」も兄弟で同じうえ、
同じ「項目」(お風呂を洗うなど)もありました。

そのため、「朝ごはんを食べる」をリストに追加し、
お家のお手伝いのいくつかを「兄専用」とするなどして、
兄弟の1日最大獲得ポイント数にしっかりと差を付けました。

そして、ポイントをゲーム時間の延長やフリータイムに使うように、
積極的に促して
もらいました。

ほとんど、「どんどんゲームをやれ」と勧めているようなものです。

でも、普段の生活で少しずつ増えるポイントで、
自分の好きなゲームの時間を獲得できるとわかって、
ドリルなどにも手を付けるようになったそうです。

…たまに、ですが。


事例③:怒鳴り声が消えた家

その子は、何度注意しても同じ行動を繰り返し、
家庭内で怒鳴り声が絶えませんでした。

大きな声で怒鳴り、時には手も出てしまう父の対応に、
子どもも反抗的な態度となってしまう、悪循環。

でも、ペナルティポイント(PP)を明確に設定したことで、
父親は「叱る」代わりに「PPを付与する」という行動に変化しました。

PPが貯まりきってしまった時も、
即座に「罰則」を適用することで、
怒鳴ったり手を上げたりする必要がなくなったのです。

また本人も、PPがつくような行動をしてしまった後で、
自ら部屋にこもってドリルや宿題を片付け、
「このポイントでPPを消してください」と申し出るようになりました。

本人なりに反省もしているし、
自分の失敗を償おうともしている──

単に罰則を受けたくないだけかもしれませんが、
それでも「失敗を取り返すにはどうすれば良いか」を
自分で考えて、自分で行動する姿は、
父親にも大きな影響を与えたそうです。

こうして、失敗自体は完全にはなくなりませんでしたが、
家の中から怒鳴り声はほとんど消えました。


もちろん、すべての家庭で理想的に進むとは限りません。
むしろ、色々とつまずくことの方が多いでしょう。

それでもきっと、根気強く、
少しずつでも続けていけば、
家庭の中から「叱り続ける疲れ」が、
少しずつ減っていくはずです。


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