「やる気が出ない」のは、「やる気を出そう」とするから

── 脳の仕組みから考える「やる気」の正体 ──

はじめに

「やる気を出しなさい」
「やる気が足りないんじゃない?」

そんな言葉を向けられて、苦しくなった経験はありませんか。

けれど、脳の働きから見てみると、
「やる気がない」こと自体が問題なのではありません。

むしろ、
「やる気を出そう」と無理に思うことが、やる気を遠ざけてしまう
そんな仕組みが、私たちの脳にはあります。

やる気は「原因」ではなく「結果」

脳には「目的報酬系」と呼ばれる回路があります。
これは、

・自分にとってうれしいことや、達成したい目標を意識した
・良いものが得られるかも知れないという予測をした
・実際に体を動かし始めた

こうした場面で働き、
ドーパミンという「やる気に関わる物質」を分泌します。

つまり順番は、

「やる気があるから動く」
ではなく、
「報酬を思い浮かべたから」「動き始めたから」やる気が出る

やる気は、スタートボタンではありません。
走り出したあとに、そっと点くライトのようなものです。

「したいこと」を意識するか、行動を始める

目的報酬系は、
「報酬を強く意識する」だけでも働きます。

たとえば、

・終わったらコーヒーを飲もう
・この作業が終われば、眠れる

そんな小さな想像でも、
脳はドーパミンを出し始めます。

また、
やる気がなくても、とりあえず動き始めるだけでも効果があります。

何も考えずに行動を約4分続けると、
次第にドーパミン分泌が始まることが知られています
(ズーニンの法則と呼ばれる仕組みです)。

「惰性の行動」が、
少しずつ「自発的な行動」に変わっていく。

つまり、やる気を生む道は2つあります。

・「うれしい結果」を思い描く
・やる気がなくても、今できることを少しだけやってみる

どちらも、「やる気を出そう」とはしていません。

「やる気を出そう」としなくていい

やる気を頭で無理に出そうとするのは、
蛇口をひねらずにコップに水を入れようとするようなものです。

やる気という水は、
想像や行動という蛇口をひねって初めて流れ出します。

だから、できることはとてもシンプルです。

・少しだけ「したいこと」を意識してみる
・それが難しければ、「今できること」だけ始めてみる

どちらかで十分です。
それが、脳のスイッチを静かに入れる最初の一歩になります。

「したいことがわからない」ときは

「やりたいことがわからない」
そう感じる人も少なくありません。

でも多くの場合、
それは「本当にない」のではなく、
自分の心の声が聞こえにくくなっているだけです。

義務感や周囲の期待では、
脳はそれを「自分の報酬」と感じにくくなります。

まずは、

・少しホッとすること
・なんとなく心地よいこと

その程度で構いません。
それが、やる気の入り口になります。

まとめ

やる気は、「出すもの」ではありません。
気づいたら、出てくるものです。

・「したいこと」を思い浮かべる
・やる気がなくても、「今できること」から動いてみる

そのどちらかが、
あなたの脳を静かに動かし始めます。

焦らなくていい。
自分を責めなくていい。

その小さな一歩が、
次の一歩を呼び起こしてくれます。


やる気はあるんだけど…

やる気はある。
または出てきた。
…と、思う。
でも、

「やる気はあるのに、なぜか続かない」

という感覚が出てくることがあります。
そんなときは、次に確認してみるポイントがあります。



ここに灯した言葉を読んで、
もう少し火にあたっていこうと思われたら、こちらへ…

▶︎ 灯のそばで、ひと休みする

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